2020年5月30日(土)、eRacer部は『5月定例レース』を開催致しました。本大会より制限なくどなたでもご参加頂ける「iRacing OPENクラス」と、License Class C及びiRating2000以上という条件をクリアされている方のみが参加できる「iRacing EXPERTクラス」の2クラス化し、計18台が参加致しました。

 OPENクラスはオーバーテイクこそ少なかったものの、序盤から常に上位4台がパックとなって優勝を争う展開に。後半はNakanishi選手が遅れをとってしまい3台での争いとなり、最終ラップの最終シケインでトップを走行していたKusayama選手がブレーキングミス。これを上手く処理したOhsaki選手が優勝し、2位にはUeyama選手が入賞。

 EXPERTクラスではポールポジションスタートのMatsumura選手の序盤のミスを見逃さなかったMuto選手が、前回の4月定例レースでのスピンアウトという雪辱を晴らし見事優勝しました。 以下にEXPERTクラスのレースレポートを掲載します。

■レースアナウンサー勝又智也氏の実況解説。実車レースやシムレースでの経験を活かしてレースを盛り上げる

 5月定例レースでは、富士スピードウェイ非公認キャラクター「ともチェカ」こと、レースアナウンサーの勝又智也氏が実況を担当してくださいました。

勝又氏は実車では富士スピードウェイFCR実況、昨年はドリフトキングダム実況を担当。またTGRを始めとする富士スピードウェイの各種イベントMCもされております。

また2020年よりe-MINI CHALLENGEやTGRのeモータスポーツレースの実況も行っており、シムレースへの造詣の深いアナウンサーの一人となります。

勝又智也氏 各種リンクはこちら

■Drapoji様より勝者へ景品をプレゼント!

 今回の5月定例レースではDrapoji様にご協力頂き、GTSport定例レース、iRacing定例レースの上位3名へ、ステッカーを賞品として贈呈致しました。

 詳しくは5/30(土) iRacing 5月定例レース「FF最速王決定戦!!」をご参照下さい。

■13台15分間で行われた予選。全車が1.1秒差の僅差で争うことに。順調にクリアラップを獲得したMatsumura選手がポールポジションを獲得

 Silverstone Circuitのインターナショナルレイアウトは一周2.978km、大小9つのコーナーによる中高速サーキット。全大会では予選が10分と非常に短く、短時間でいかに正確にタイムを記録するかが問われたが、本大会では1周も短くまた15分間という時間が与えられた。

 AUDI RS3 LMS TCRはFF車両ということもあり、これまでの予選アタックとは異なり、タイヤの温度管理が非常に重要となる。フロントタイヤを酷使してしまうと早いグリップダウンを引きおこし、一方でリアタイやは積極的に熱入れを行わないと最適なグリップが引き出せないという、難易度の高い車両だ。

 序盤でトップタイムを記録したのは、前回大会で縁石に弾かれスピンアウトしリタイヤとなってしまったRadicals OnlineのMuto選手。丁寧に熱入れを行った後、4周目には1’10.056を記録した。Muto選手は練習走行では1’09.836でファステストタイムを記録していたこともあり、更なるタイムアップが期待された。

 そのままMuto選手がポールポジションを獲得するかに思われたが、6周目にMYS Racing TeamのMatsumura選手が唯一9秒台に突入。1’09.916を記録し、見事ポールポジションを獲得した。3番手は1’10.087を記録したFukuda選手、続いて1’10.093でIwasa選手が続いた。1位から13位まで全車が1.1秒差に収まるという結果となり、本大会のレベルの高さが伺える。

■これまでにない長期接近戦が勃発。一瞬の隙を突いたMuto選手が優勝を飾る

 15周で行われた決勝。今大会では17 Incidentで即リタイアという厳しいレギュレーション設定。TCRは実車でも軽度の接触が多くみられるが、今大会では周回数が多いこともあり、ラフな接触は極力避けなければならないという緊張感のある一戦である。

 しかしレースはスタートから波乱の幕開けとなる。7番手から好スタートを切ったOkada選手が前方を塞がれる形となり、右前方のスペースに入ろうとしたところで、スタートが一歩で遅れた6番手スタートのIwata選手の左フロントに接触。更にそのIwata選手に対して右側から追い越しを試みていたNagai選手の進路を塞ぐ形でクラッシュしてしまう。

 後続車はこのクラッシュをなんとかかわしていくも、制御不能に陥ってしまったNagai選手とArai選手が接触。Nagai選手はこの接触によりリタイア、Arai選手はダメージを負うも、レースを続行した。

 TCRはその特性上、コーナーでの1ミスが命取りとなり、またそれがきっかけで接近戦が起きやすい。今大会はレート制限により経験豊富なiRacerの方々が集まっているということもあり、全体を通して白熱した戦いが随所で見られた。

 特筆すべきは3位争いだろう。5番手から抜群のスタートを決め3位に浮上したPicar RacingのHirata選手、前回のCOTAでは抜群の安定感を見せたD-pro LAPS LMS Iwasa選手、そこにChiviRacingAudiのFukuda選手、更にTC CORSE eSportsのKaneko選手といったベテラン勢による熱い戦いが勃発。

 スタートで前に出たHirata選手だったが、2周目の3コーナーのブレーキング時にリアタイやを芝生に落としてしまい、姿勢を乱してしまう。これによりトップ2が逃げ切り体制に、そして3位争いが急接近する展開となる。

 アベレージラップでHirata選手を上回るFukuda選手とIwasa選手。あわや接触というシーンを何度も見せながら、一時は3ワイドでコーナーに進入していくほどヒートアップ。インサイドを取ったIwasa選手が前に出るものの、スリップストリームが良く効くということもあり、集団の頭を塞ぐ形となってしまう。これによりKMR選手、更にはKaneko選手を含む5台のパッケージとなり、戦いは激しさを増していく。

 5周目の最終シケインでKaneko選手がHirata選手のインサイドに飛び込んだところで両者が接触。しかしここはKaneko選手のクレバーな立て直しにより、順位を落とすことなく難を逃れた。

 ここからIwasa選手のペースが徐々に回復していき、バトルが一旦落ち着く展開に。9周目になると再びFukuda選手がIwasa選手を捉え果敢に仕掛けていく。軽く接触がありながらもこれをIwasa選手が凌ぎ、逆に6番手でチャンスを伺っていたKaneko選手がHirata選手、そしてFukuda選手をそれぞれアウト側からオーバーテイクすることに成功。一気に4番手に順位を上げた。

 順位を下げたHirata選手は更に後方から追い上げてきたOG Motorsports Arai選手の猛追を凌ぐ展開となってしまう。軽い接触を伴いつつ素晴らしいバトルを繰り広げていた両者だったが、9周目の最終コーナーをサイドバイサイドのまま立ち上がったストレート区間で接触。結果的にArai選手が弾き出されることとなってしまい、9番手まで順位を落とした。

 そんな激しい戦いは最終ラップまで続くことに。最後の2周で急激にタイムを落としてしまったLAPS Iwasa選手にFukuda選手がプレッシャーをかけていくと、ファイナルラップの6コーナー立ち上がりで両者が接触。2台ともコースアウトしてしまう。Iwasa選手は何とかそのままコースに復帰するが、復帰した先の最終シケインのブレーキングでKaneko選手との接触があり、スピン。順位を落とした。

 最終的にこのハードな戦いを制したTC CORSE eSports Kaneko選手が3位に入り、4位にIwata選手、5位にPicar Racing Hirata選手、6位にChiviRacingAudi Fukuda選手が続いてゴールした。

 トップを争うMuto選手とMatsumura選手はお互いにほぼ同じ持ちタイムで周回を重ねていたが、3周目の6コーナーでMatsumura選手が僅かにクリップを外してしまう。ここをMuto選手が見逃さずインサイドに鼻を入れると、そのまま最終シケインへ突入。イン側の縁石に弾かれたMatsumura選手がサイドから接触してしまうが、これを耐え抜いたMuto選手がトップへ浮上。一瞬の隙を突き、ミスを許さなかったMuto選手がこのまま最後まで守り抜き優勝を飾った。Matsumura選手も常に1秒圏内を走行していたが、オーバーテイクを仕掛けるには至らず、2位でフィニッシュとなった。

■運営フォーマットについて

  本大会は初めてOPENクラスとEXPERTクラスという形でスプリット分けを行い、健全かつ緊張感のある、魅力的なレース運営を目指しました。TCR×Silverstoneという組み合わせの特性上、やはり避けられない接触が発生してしまった点については改善の余地があります。しかし、これまでの定例レースには無い白熱した戦いが15周を通して常に見られた点は、今回のフォーマットを導入したことによる恩恵といえるのではないでしょうか。Discordを活用した運営、レースフォーマット、そして配信を通して、iRacingやシムレースの魅力が更に伝わるような運営を心掛けて参ります。

■リザルト

  • リザルトは こちら(準備中)

■YouTubeにて本大会を見直そう!

 13名のプレイヤーによる本大会での熱い戦いを、eRacer部×CarkichiによるYouTube公式チャンネルにてご覧頂けます。勝又様そしてKMR様による実況解説を交えた映像となっております。

配信協力:Carkichi

https://www.carkichi.com/

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